「図書館に住みたい」私が、なぜ本を捨てたのか
私は自他共に認める本マニアです。小説、漫画、実用書……放っておくと家の中が本で埋め尽くされ、まさに「本の城」状態。かつての私の野望は「自宅を図書館にすること」でした。しかし、ある日気づいてしまったのです。お気に入りの本を探すのに15分もかかり、山積みの本のせいで部屋の掃除もままならない。これでは図書館どころか、ただの倉庫ではないかと。
そこで私は一念発起し、約1000冊の蔵書を処分することを決意しました。本を愛する人間にとって、これは身を切るような痛みです。しかし、物理的な所有を捨てた先には、想像もしていなかった「自由」が待っていました。
私が徹底した「残す・捨てる」の3つの基準
とはいえ、闇雲に捨てれば後悔します。私の体験では、以下の3つの基準を設けることで、迷いを断ち切ることができました。
- 電子版で買い直せるか?
これが最大の基準です。Kindleや楽天Koboなどでいつでも手に入る本は、容赦なく手放しました。逆に、絶版になっていて二度と手に入らない貴重な資料や、著者のサイン本などは「宝物枠」として残しました。 - この1年で1回でも開いたか?
「いつか読む」の「いつか」は来ない。これは管理職としての業務効率化と同じ考え方です。情報が古くなったビジネス書や、途中で挫折したままの小説は、今の自分には必要ないと判断しました。 - その本は「今の自分」を作っているか?
ページをめくるだけで当時の記憶が蘇り、今の自分の核になっていると感じる本。それだけは残しました。結果、1000冊あった本は、お気に入りの棚1つ分、約50冊にまで凝縮されました。
空間が空くと、思考のノイズが消える
断捨離を進めていた際、私は段ボール箱に本を詰めながら、何度も「やっぱりこれ、残しておこうかな」と手が止まりました。でも、そこをぐっと堪えて送り出した後、不思議とスッキリした気分になったのを覚えています。
本を捨てて一番良かったのは、部屋が広くなったことではありません。「次に何を読むか」という選択に迷いがなくなったことです。物理的な本が視界から消えたことで、私の脳内の「未読へのプレッシャー」というノイズが消え、今読んでいる一冊に深く没頭できるようになりました。
物理本ゼロにはしない、大人の余裕
現在は、基本的にすべて電子書籍で購入しています。読みたいと思った瞬間に1分後には読み始められるスピード感。これは、忙しい会社員生活を送る私にとって、何にも代えがたいメリットです。
もちろん、今でも残った50冊の紙の本は大切にしています。たまにそのページをめくり、紙の匂いを感じるのは贅沢な時間です。でも、日常の読書はタブレット1台。このハイブリッドなスタイルこそが、収納限界と老眼の悩みを抱える40代の私にとって、最適解だったと確信しています。モノへの執着を手放すと、情報の質がよりクリアに見えてくるものですね。